5歳児「まことの保育」指導計画 |
月 |
主 題 |
ね ら い |
留 意 事 項 |
4 |
信順 |
おがみます |
仏さまを拝むことは、「仏さまを拝めば、自分に何らかの利益をもたらしてくれる」といったような、取り引きのためではない。損か得かではなく、たとえ自分の目には見えなくても、本当に心から頭を下げることの出来る真実(まこと)のはたらきがあるということを知らせる。 |
・お参りの時、合掌は45度の角度で手を合わせ、礼拝も45度の角度で行うことを教える。 |
・いつでも、どこでも、仏さまに見守られていることを教える。 |
・仏教讃歌は、歌詞の意味をよく理解して、元気よく丁寧に歌うことを教える。 |
5 |
讃嘆 |
たたえます |
自己中心性の強い幼児期には、他をほめるということはなかなか難しいもの。日頃口にしている「ナモアミダブツ」が仏さまをほめる尊い行為であることを伝え、それが何よりも素晴らしいことだと教えることで、他を認めそれを素直にほめることの出来る心を育む。 |
・「ナモアミダブツ」を称えることは、仏さまをほめることであることを教える。 |
・「ナモアミダブツ」は、同時に仏さまが自分を呼んでいる声だということを教える。 |
・他をほめることは、とても素晴らしい行為だということを教える。 |
6 |
歓喜 |
つよくのびます |
「歓喜」とは心身で共に味わう喜びのこと。「根を養えば樹は自ら育つ」といわれるように、強く伸びるためには、幼児期に生きる喜びを心身で感じることの出来る体験が大切。また、一人ひとりの持ち味を十分に認めながら、自らをあるがままに表現できる環境を設定して自立心を育む。 |
・遊びの中で、楽しい・嬉しいという「喜び」の体験を多く持てるようにする。 |
・他人の目を基準にするのではなく、自ら善悪の判断を行うことの大切さを教える。 |
・自分の体を大切にしようとする気持ちを育む。 |
7 |
照育 |
あおぎます |
光は、動植物だけではなく、人間にとっても成長していく課程で大切なはたらきをする。しかし、心が育つためには、心の闇を照らす真実の光がなくてはならない。子どもがのびのびと自分を表現できる場を与えて、個性のままに輝きを増して、自ら育って行けるよう待つことを心がける。 |
・アサガオの観察などを通して、「いのち」は光によって育つことを教える。 |
・ひとりひとりの「持ち味(個性)」を認め、自分らしさを表現できるような配慮をする。 |
・いつでもどこでも仏さまの光に照らされていることを教える。 |
8 |
反省 |
かえりみます |
子どもは注意を受けても、叱られると間違いはそれで帳消しになると思いがち。言葉で謝っただけで「済み」になる訳ではないので「済みません」というが、他人に迷惑をかけた時には素直に謝罪の言葉を口にすることを教え、次から間違えないためにはどうするか考えることを習慣化する。 |
・間違えた時には、その理由を明らかにして次からどうすればよいか考えさせる。 |
・自分が間違えていることに気付いたら、「すみません」「ごめんなさい」といわせる。 |
・誰にでも間違いがあることを教え、他人の過ちを許せる寛容な心を育む。 |
9 |
報謝 |
はげみます |
「有り難う」という言葉は、それらのものや行為を受ける自分ではないことを反省した中からわきあがる感謝の気持ちを表したもの。人に対してだけでなく、あらゆるものに対しても心を通わせ、感謝の思いを抱き、素直に「ありがとう」と口に出来るような豊かな心を育む。 |
・親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」の言葉を口にすることを定着させる。 |
・人やものから、いつもお世話になっていることに気付かせ、ものにも感謝することを教える。 |
・世の中には「無駄なもの」は一つもないことを教え、「もったいない」の心を育む。 |
10 |
聞法 |
よくききます |
「聞く」ということは、具体的には「聞いて理解する」ということ。話を聞いたといっても、その聞いた話の内容を自分の言葉で語れなければ、それは聞かなかったのと同じである。「耳は二つ、口は一つ」と言われるが、話すことにもまして聞くことの大切さが身につくようにする。 |
・くつろいだ雰囲気の中で、興味や関心のある話や物語を用意してゆっくりと話す。 |
・対話形式を多く用い、子どもたちに質問をして、理解度を確認しながら話を進める。 |
・話を聞き終わった後は、どのような話だったか感想をまじえて述べさせる。 |
11 |
領解 |
こころがけます |
集団生活の中で、自分勝手な行動は周囲の人々に迷惑をかけてしまう。そこで、集団においては、誰もが必ず守るべき「きまり」が設けられている。自己中心性の強い幼児にとって、いろいろなきまりを守ることは窮屈かもしれないが、きまりを守ることを通して忍耐の必要性を学ばせる。 |
・社会生活を送る上では「きまりを守ること」が大切であることを理解させる。 |
・「きまり」は、自分達のためにあるのだということに気付かせる。 |
・いろいろな「きまり」を守らせることによって、自律心を育む。 |
12 |
精進 |
つとめます |
幼児期は、物事への興味が次々と移っていくことが多いので、一つのことに集中してそれを継続させるような配慮が大切。また、はじめはたとえ困難に見えるようなことでも、一見つまらないような身近な努力の積み重ねにより、やがて必ず実現することを、体験を通して実感させる。 |
・すぐには出来なくても、ものごとは毎日の積み重ねによって実現することを教える。 |
・それぞれの子どもの持ち味に応じて、集団の中で集中して遊べるような配慮をする。 |
・努めているときには必ずそのことを評価して励ます。 |
1 |
報恩 |
よろこびます |
日頃、何気なく目にしているものや事柄には、それが成り立つまでに、自分達の目にはみえない多くの支えやはたらきがある。また、それが当たり前ではないことを教え、自分が多くのいのちやはたらきによって、さまざまな恩を受けていることに気付かせる。 |
・自分のいのちは、いつも多くのいのちに願われていることを教える。 |
・絵本や物語などを通して、いのちを大切にすることを教える。 |
・目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを教える。 |
2 |
和合 |
なかよくします |
「争い」は常に善と善とのぶつかりあいによって生じる。したがって「けんか」は奨励すべきものではないが、起こった時には、お互いの立場になって考えたり、どのようにすれば仲よく出来たのかを子ども達自身に述べさせて、敬い合い支え合うことの大切さに気付かせる。 |
・自分の考えとは、違う考え方があることを教える。 |
・争いが生じた時には、どのようにすれば仲良く出来たのかを一緒に考える。 |
・自分が言われたりされたくないことは、友だちにも言ったり、したりしないことを教える。 |
3 |
奉仕 |
てつだいます |
「お手伝い」は、見返りを期待しない無償の行為であると同時に、子どもにとっては興味のある遊びの一つであり、社会性を広げる貴重な体験の機会である。身近な行為の中に手伝いがあることを教え、他人から信頼され一人前と認められたことに喜びを感じることで、自分の存在意義をもてるように導く。 |
・「思いやりのある言葉」「「やさしい微笑み」などもお手伝いであることを教える。 |
・手伝ったことで相手が喜んだとき、その喜びを共にすることの大切さを教える。 |
・「他の人のために、自分は何が出来るのか?」ということを考えさせる。 |